限定承認  パート2

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前回、限定承認制度についての概要をお話ししました。今回は、限定承認が受理された後についての概要と限定承認のリスクについてお話ししたいと思います。限定承認の申し立てが家庭裁判所に受理された後、すべての相続債権者及び受遺者に対して、官報広告及び催告を行い、限定承認をしたことを広告し、かつ、一定の期間内(2ヶ月以上)にその請求の申出をするように促します。そして、競売により清算が行われます。

限定承認を行う上で押さえておかなければならないリスクがあります。

①相続人の中から選任された相続財産管理人が相続財産の管理・清算を行わなければならない。

②相続財産管理人を弁護士に委任した場合は、その費用は相続債務にならない。

③一度限定承認をしてしまうと、たとえ熟慮期間であっても撤回はできない。

④みなし譲渡所得税の課税がある。

限定承認は、あまり利用されないという認識が多数を占めているようですが、我々相続士は引き出しの一つとしていつでも出せるようにしておかなければならないと思います。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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