最期に後悔のない相続準備を・・・

相続準備といっても何をすれば良いのか分からない、という漠然とした疑問を持ったまま、何もせずそのまま死期を迎える方が多いのではないでしょうか。

ここ数年で相続に関する意識が変わっていき、相続に関する本も多数出版され、相続専門を名乗る者が多数現れ、各業界でも相続に焦点を当てた営業戦略を行なっています。

相続の準備ということでは「遺言の作成」が多く推奨されていますが、相続税対策を謳い、遺産分割まで考慮していない不動産活用の提案なども多いのが現状です。

そういったご時勢に影響を受けて、相続の準備をしておかなければならないと思いながらも、なかなか手をつけられずに今に至っている方も多いと思います。

『死ぬときに後悔すること25(大津秀一著、致知出版)』という書籍は、終末期医療専門家の緩和医療医である著者が、終末期の患者さんが後悔していた事例を取り上げて紹介したものですが、その25の中に「遺産をどうするか決めなかったこと」という項目があります。

この項目は、医者という立ち位置から見て遺産分割について簡単に述べていますが、なかなか的を射る内容ではないかと思います。

遺産の分け方は介護にも影響してくるという著者は述べていますが、まさしく親の介護というものは相続争いになりやすい要因であり、線引きが難しく、こじれたら修復が難しい問題だと思います。

そして、筆者は遺産分割の話し合いは元気なうちに行うべきだと述べています、大変な労力が必要であることも付け加えています。

これもまさにその通りで、財産のうち何を誰に承継させるのか、その方法で承継させた場合に相続人同士で揉めることはないのか、などの検討をしながら決めていくのは大変な作業です。

同じ作業をしなければならないのが遺言作成時ですが、「遺言は元気なうちに作成すべき」と言われるのは同じ意味があります。

相続というとどうしても相続開始後の手続きや相続税に関心が寄せられがちですが、その前に考えておかなければならないことがあります。

本人亡き後、財産をどうするのか、ということです。

みんなで話し合って分ければ良い、というのは無責任にも感じます。せめて、本人の考えや意思を伝えておくべきです。

あの世からこの世が見られるのかは分かりませんが、仮に見えたとして、自分が何も決めず、考えを話さず、意思を伝えず、その結果遺された家族の間で争いが生じているのを何もすることができずに見ているのは何とも歯がゆいことではないでしょうか。

人生の最期に後悔しないように、自分の財産をどうするのか決めておくことは重要なことだと思います。

財産の多寡は関係ありません。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、相続士、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続・事業承継に特化した事務所を開設、同時に、相続支援ネットにメンバー加入。「円満な相続」をモットーに、遺産分割対策支援・遺産分割協議支援など相続・事業承継支援を行う遺産分割に特化した相続士。あらゆる層の相続において問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応には定評がある。日本相続士協会理事、日本相続士協会試験委員、相続士上級養成スクール専任講師。
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