親の介護と遺産分割 Part1

親の介護と相続は密接に関係してきます。つまり、親の介護をした者とそうでない者の相続分がどうなるかが焦点となります。

親の介護をしたというのは相続分にどう関係してくるのでしょうか、そうです、寄与分です。

相続において揉める要素となる「寄与分」については、前回、前々回と続けてお話ししてきました。今回は寄与分のある(親を看た)相続人に報いるための手段についてお話ししたいと思います。

その前に、少しだけ寄与分について復習したいと思います。寄与者となり得る者は、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者で、寄与分の要件に該当する者です。

寄与分の要件とは、共同相続人であること、寄与行為をすること、特別の寄与と評価されること、被相続人の財産の維持又は増加があること、寄与行為と被相続人の財産の維持増加と間に因果関係があること、です。

これらの要件に捉われずに共同相続人間で寄与分を認めることは可能です、しかし、共同相続人が認めなかったときには家庭裁判所が介入する結果になることもあります。

この場合は、寄与分の要件を満たしていることを立証していかなければならないのでかなり厄介になります。

特に、「特別の寄与」に該当することを立証することはかなり大変な作業になることでしょう。

通常、夫婦間や親族間では協力扶助義務や扶養義務、扶け合い義務があり、それは当然のこととされています。ですから、特別の寄与と評価されるためには、この当然のこととされている義務を超えたものでなければならないとされています。

しかし、どこからが超えたものであるのか線引きはありません。

だから、特別の寄与の評価が難しく、寄与分が認められづらいのです。

専門家によっては、寄与分は認められないのでダメです、と切り捨ててしまうこともあるようですが、それでは元も子もありません。

認められない、あるいは、認められづらいのであれば、どうしたらいいのか、どのような手段が考えられるのかを相談者と一緒に検討しなければなりません。

もちろん、可能と思われる手段が見つかっても、相談者がそれを良しとするかが問題です。机上理論では可能であっても、相談者の考え方や心の問題、他の相続人との関係、生活環境等、色々と考慮して検討しなければなりません。

手段ありきではなく、当事者の考えや気持ちを最大に考慮しなければならいと思います。

その上で、考えられる手法として、生前贈与や遺言、生命保険の活用などがあります。

次回、寄与者に報いる手法についてお話しさていただきます。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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