相続の現場で独り言・・・「平等・公平」は成立するか

相続で問題となるのが「遺産の分け方」です。誰が何を、誰がどれだけ、遺産を取得するのかを決める話し合いである遺産分割協議は争いの場と化することも珍しくありません。

争族、あるいは、争続と言われ相続の代名詞のようにも使われることがあります。家族・親族が争い続ける様を表した表現ですね。

このような言葉が相続を話す上で浮上してくるようになり、「相続は平等に」「遺産分割は公平に」と目標を掲げるかのように言われるようになりました。

実際に相続の専門家と称する人の中には、「遺産分割は平等に分割できるように」「遺言の内容は相続人が平等になるように」「相続は公平性を欠いてはいけません」などとアドバイスする方もいます。それはそれで正論なのですが、、、。

果たして、実際の相続の現場では「平等」「公平」というものは成立するのでしょうか。

そもそも「平等」「公平」とは誰を基準に言っているのでしょうか、被相続人からみた平等感なのか、第三者からみても文句のつけようのないものなのか、相続人全員一致の平等感なのか、掘り下げていくとキリが無いようです。

恐らく、世間一般の「平等」「公平」というのは「相続人全員一致の平等感」なのではないでしょうか。ここでいう「相続人全員一致の平等感」とは、金額でいうと「ほぼ差のない一致感」ではないでしょうか。

しかし、これは非常に難しい問題です。これを求めてしまうと遺産分割協議自体成立しない確率の方が高くなるでしょう。

例えば、相続人が子供3人で遺産が現金のみ3,000万円だった場合、子ども3人で1,000万円ずつ相続すれば法定相続分どおりで完全な平等のように見えますが、3人のうち1人が10年以上親の介護をしてきて、他の2人にはそのような行為が全くなかったとしたらどうでしょうか。

数字だけで割り切れないものがあります、また、法律の規定や判例を基にした判断では解決できないものもあります。

平等感や不平等感は、「自分と他の相続人を比べる気持ち」から発生するものではないでしょうか、そこには金額しかり、家族の歴史しかり、自分や他の相続人の行動しかり、です。

相続を考える上で、被相続人もそうですが、相続人の「気持ち」もっと言えば「心」を無視してはいけないと思います、それなしには争いのない相続にはたどり着けないと思います。

綺麗事かもしれません、そこには特別受益の問題や寄与分の問題等クリアしなければいけないものも多数あることでしょう、しかし、それも含めて、「円満な相続」へ導く(水先案内とでもいいましょうか)ことが我々の使命ではないかと、改めて考える今日この頃です。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、相続士、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続・事業承継に特化した事務所を開設、同時に、相続支援ネットにメンバー加入。「円満な相続」をモットーに、遺産分割対策支援・遺産分割協議支援など相続・事業承継支援を行う遺産分割に特化した相続士。あらゆる層の相続において問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応には定評がある。日本相続士協会理事、日本相続士協会試験委員、相続士上級養成スクール専任講師。
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