遺言執行者の指定

最近は遺言というものがずいぶん身近なものになってきています。色々な専門機関で遺言作成を推奨していますし、素人でも簡単に作成できるようにマニュアル本や作成キットなるものも販売されています。

簡単に作成できるように、、、というマニュアル本や作成キットがあっても実は遺言を作成するには大変な労力が必要になってきます。

世間で謳われているほど簡単に作成できるものではありません。

財産調査から始まって諸々決めていかなければならず、その決めることに頭を悩ますのですから、一人で考え作成して行くのは容易なことではありません。

その決めなければならないことの一つに「遺言執行者の指定」があります。

遺言執行者とは、遺言者が亡くなって遺言の効力が発生した時にその遺言内容を実現させるための手続きをする人のことです。

遺言執行者の指定がない場合には、共同相続人全員の共同行為によって遺言内容の実現を図り、遺言執行者を置きたい場合には家庭裁判所に遺言執行者の選任の申し立てをする必要があります。何れにせよ大変な作業になります。

遺言執行者の指定があれば、遺言執行者が共同相続人全員を代理して遺言内容の実現を図るための手続きを行います。

では、遺言執行者を指定する際にはどのような点に気をつけて、どのようなことを決めていかなければならないのでしょうか。

まず、遺言執行者に指定しようと考えている人に確認した方がいいでしょう。なぜなら、本人の了解も取らずに勝手に指定した場合に、遺言執行者就任時に就任を拒否されては元も子も無いからです。

遺言執行者は遺言執行者就任時に未成年者または破産者でなければ誰でもなることができます。また、1人でなくて数人でも可能です。

仮に遺言執行者として1人を指定した場合に、万が一にも遺言者より先に遺言執行者が亡くなってしまった時のリスクに備えて、「遺言執行者の指定の委託」を検討しておくと良いでしょう。

そうすれば、万が一にも指定された遺言執行者が遺言者より先に亡くなってしまった時に委託を受けた者が、新たに遺言執行者を指定して遺言の実現を図ることができます。

遺言執行者を仮に2人指定した場合には、どちらか1人が前述のように遺言者より先に亡くなってしまった時でも残った1人が遂行するように遺言を遺しておけばリスクは避けられます。

そして、忘れがちですが、遺言執行者の報酬も決めて遺言に明記しておくと良いでしょう。遺言内容を実現させる手続きを行うことは大変なことです。しっかりと報酬を決めておくことをお勧めします。

遺言執行者について簡単にお話ししてきましたが、実際には色々なケースがあります。専門家に完全に任せてしまうケース、相続人と専門家が共同で行うケース、相続人が行うケースなど、実情に即した形で決めていけばいいと思いますが、やはり難しい判断にもなりますので、相続の専門家に相談して決めていく方が良いと思います。

信頼できる専門家を探しましょう。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、相続士、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続・事業承継に特化した事務所を開設、同時に、相続支援ネットにメンバー加入。「円満な相続」をモットーに、遺産分割対策支援・遺産分割協議支援など相続・事業承継支援を行う遺産分割に特化した相続士。あらゆる層の相続において問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応には定評がある。日本相続士協会理事、日本相続士協会試験委員、相続士上級養成スクール専任講師。
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