第二の人生?シニア婚と配偶者の相続権

最近シニア婚なるものが流行っているのか、話題に取り上げられることが多いような気がします。

配偶者を亡くしてからかなりの年月が経つからそろそろ老後を一緒に過ごすパートナーを探そうというのか、血気盛んにまだまだ頑張ろうというのか、人それぞれ考えは違うと思いますが、浮かれていると後々思いもよらないトラブルが当事者に襲いかかってくる可能性があります。

シニア婚を取り上げている記事などにもやはり問題点が指摘されています。

その問題点とは何でしょうか。

そうです、「相続問題です」

現在の法律では婚姻後の配偶者はもう一方の配偶者の財産に対して2分の1の法定相続分を有します。

婚姻生活が1年でも1ヶ月でも1日でも法律上の配偶者であれば相続権があるわけです。

この場合、独り身(子供がいなく完全に1人ということ)の人がシニア婚をして配偶者となる人を設けるのであればあまり問題にはならないと思いますが、子供がいる場合にはそれなりに問題が発生してくる可能性はあります。

それも当事者の考え方ひとつで変わってくることもあります。

例えば、配偶者を亡くし、子供が2人いるAさんが、子供が結婚して家庭を持つようになったのを機に、シニア婚を考え実行しようとした場合、予め子供2人の了承を得て、籍を入れる前に新たな配偶者と子供達の交流を図り、お互いに納得の上入籍するのと、子供達には内緒で入籍し事後報告のみ行い、交流も絶ってしまうような行為とでは、問題が発生する可能性も大きさも全く違ったものになってしまうでしょう。

このような場合に問題となりうるのは、新たな配偶者に遺産の2分の1を持って行かれてしまうという意識・感情です。

子供達の感情の中には、すでに他界した自分たちの親の存在もあるわけです。今現在この財産があるのは両親が築き上げてきたからであり、晩年に現れた人にその2分の1を持って行かれてしまうのは何ともやりきれない思いがあることでしょう。

法律の専門家はこのようなシニア婚にはトラブルは付き物・当たり前とトラブルありきで捉えている傾向がありますが、トラブルにならないようにどうするべきかということを考えなければならないと思います。

このようなシニア婚のための婚活パーテイーを主催する側も、昨今は参加者数が増えていますと他人事のような物言いをするのではなく、ゴールインする人たちへの注意事項のようなものを積極的に働きかける姿勢が必要ではないかと思います。

自分の第2・第3の人生のために新たなパートナーを探すことは悪いことではありません、それによって活き活きとした生活が送れるようになる人もいることでしょう、ただ、自分が歩んできた人生がそれなりに

あるわけですから、家族や財産のことなど真剣に考えて、自分勝手な振る舞いにならないように注意しなければならないと思います。

現在の法律では、先述しましたが、配偶者は法定相続分2分の1です。1日でも権利が発生します。これを悪用する人も少なからずいることでしょう。

法律というものを最低限知っておいて、法律に振り回されずに、トラブルに巻き込まれないように注意したいものです。

そして、事後対処ではなく、事前対策を考えておくことが重要です。

特に、相続に関しては、、、。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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