遺産分割で揉める原因

相続手続きの最大の山場で最も重要なものが遺産分割です。しかし、この遺産分割は相続における争いの大元にもなるものです。

何故、遺産分割は揉めてしまい、相続争いの元となり易いのでしょうか。

遺産分割の方法として遺産分割協議があります。協議分割という方法です。

遺産分割協議というのは被相続人の遺産をどのように各相続人に帰属させるかを共同相続人全員で話し合って決める作業です。

被相続人の遺産ですから共同相続人各自が自分自身で作り上げた財産ではありません、いわば棚ぼたのようなものです。ですから本来は遺産をありがたく分けてもらうという姿勢が重要で、自分自身の都合で自己主張する場ではないのです。しかし、そうは上手くいかないのが人というものです。できれば少しでも多くもらいたい、自分は被相続人の面倒を看てきたのだから他の人より多くもらうのが当然だ、長男だから、、、などと様々な考えや気持ちが交錯してしまうのが現実です。

自己中心の利己的な考えが大半を占めるようになってしまうと他の共同相続人に対する配慮はほとんどなくなりますから、被相続人との関係で他の共同相続人より劣る立場でも自分の都合を優先してしまいがちです。

つまり、他の相続人がどれだけ被相続人の介護等をして自己犠牲を払っていてもそれを見ようとする目を持ち合わせないのです。

そうなると話し合いをする共同相続人同士の目線がバラバラとなり話し合い自体がまとまらなくなるのは当然の結果となり得ます。

人はそれぞれ考え方が違うのは当たり前のことですから、遺産分割協議の場でも意見が食い違うことは当たり前のことなのです。ここで問題となるのが自分と違う意見を最後までちゃんと聞かずに感情的になってしまうことです。

遺産分割の期限は法律では決められていませんが、相続税の申告が必要であれば相続開始後10ヶ月以内に行わなければなりませんので、10ヶ月以内に遺産分割協議を終了させて遺産分割協議書を作成し、所定の手続きが必要となります。10ヶ月以内にできない場合には一旦法定相続分で計算し後日修正申告するという面倒で無駄な作業になってしまいます。

相続税の申告が不要な場合には期限はありませんから遺産分割協議の決着はいつまででも伸ばすことができますが、話し合いが着かなければ調停・審判ということに発展しまう可能性があります。そうなると相続開始後の当初には予定していなかった費用がかかるだけでなく、時間も費やされ、精神的疲労に至っては考えも及ばないものになり得ます。

ですから、遺産分割協議に関しては粛々と進めるのが一番良い事だと思います。そのためにも共同相続人全員が「それを意識して」、「感情的にならずに」、「他の相続人の話もよく聞き」、「中庸を得た考え方を意識して」、「許容という心を持ち」、円満円滑な相続手続きを進めて行くことに集中して行くことが重要かと思います。

確かに、言葉で表すのは簡単なことで、実行することは難しいことかもしれません、場合によっては第三者である専門家を交えて遺産分割案の検討を行うことも必要かもしれません。但し、最初から法律的な争いに持って行くような専門家は交えない方が良いでしょう、そのような専門家は本当に法律的な処置をしなければなくなったときまで控えておいてもらった方が無難です。

遺産分割協議、揉めないためには共同相続人全員の「心の努力」が必要となるのではないでしょうか。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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