自分で意思表示ができなくなったとき、家族は・・・

相続対策(準備)の重要性等が世間一般では取り上げられ、自分が亡くなった後に家族が困らないようにしっかり準備をしておきましょうといわれています。

そんななか忘れられがちなのが、自分が亡くなる前、もっといえば直前の時期のことです。

家族に一言だけ残して亡くなっていく、というシーンはドラマにありがちなものですが、現実にはほとんど無く、人が亡くなる前というのは話すことはできず自分の意思表示などできないことの方がほとんどです。

このような状況の時に、家族に重要な判断が必要になってきます。

「延命治療」の問題です。主治医から延命治療を行うか否かの問いかけがあり、家族はそれに答えなければなりません。どんな形でも生きている姿を見せておいて欲しい(そこにいて欲しい)、無理やり延命治療をするのはかわいそう(苦しいだけなのではないか)、などと様々な葛藤がある中で判断しなければなりません。苦渋の決断ともいえるかもしれません。

この時に家族全員が同じ考えで一致するのなら良いのですが、考えが分かれた場合が問題です。考えが分かれた場合は、話し合いがつかずに長引けば主治医にも迷惑がかかりますし、迷惑がかからないようにどちらかが折れたときは遺恨が残り兼ねません。そうなるとその後の相続の時にすでに気持ちは揉めた状態からスタートしてしまう可能性がありますのでかなり厄介です。

では、どうしたら良いのか、という問題です。

可能であれば、本人の考えや気持ちを予め残しておくと良いでしょう。

昔と違って今は健康保険証の裏面に「臓器提供の意思表示欄」があります、このように自分の体をどうするか自分の考えを表すことはタブーでも何でもないのです。

自分の体、もしくは生命について、自分から意思表示ができないような時に判断を迫られたらどうするか、予め残しておけば、本人の意思だからと家族はそれに従うことになるでしょう、家族の重荷が一つ減ります。

何でも良いからノートに書いておくという単純な方法もありますが、場合によっては見過ごされてしまう可能性もありますので、エンディングノートというものに残しておくと、一般のノートとは違い、発見されやすいかもしれません。

エンディングノートは多くの種類が市販されていて、内容も少しずつ違いがありますので、内容をよく吟味してから購入すると良いでしょう。

また「尊厳死」を希望される場合には公正証書で「尊厳死宣言」を作成することも可能ですし、専門のNPOなどもありますので調べてみてはいかがでしょうか。

相続準備にプラスして「相続直前の準備、終末期医療」についても考えておくと良いと思います。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続・事業承継に特化した事務所を開設、同時に、相続支援ネットにメンバー加入。「円満な相続」をモットーに、遺産分割対策支援・遺産分割協議支援など相続・事業承継支援を行う遺産分割に特化した相続士。あらゆる層の相続において問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応には定評がある。日本相続士協会理事、日本相続士協会試験委員、相続士上級養成スクール専任講師。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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