おひとり様の終活

身寄りのない人が亡くなったときのことがニュースなどで取り上げられる事がありますが、大変だな~と思えるような事がほとんどではないでしょうか。

ゴミが散乱していたりという類の話は個人差があると思いますの今回の話からは除外しますが、預貯金を数千万円遺して他界してしまったとか、お墓の準備(親のお墓がある場合も含みますが)を何もしていなかったとか、自分の死後の準備を何もしていなかったというのが最大の原因ではありますが、一般的に健康な人の場合自分の死後の準備についてあまり深く考えないのが普通でないかと思います。そして、ある程度の高齢になったときは何をすればいいのか考えもつかず、誰に相談すれば良いのか分からず、そうこうしているうちに認知症とまではいかなくても脳の機能は年齢と共に衰えてきますので、そのまま何もしないで死期を迎えることになってしまうという状況ではないでしょうか。

直系卑属である子や孫がいれば、いなくても配偶者がいるうちは残った者が死後の処理をしてくれるでしょうが、親戚縁者がいなくて完全に一人である、あるいは、親戚がいても縁遠く自分の老後や死後の事を頼む事ができない、などの場合には自分で老後のことや死後のことを考えて完全ではなくてもある程度の準備はしておきたいものです。

世間ではこのような人のこと「お一人様」と表現する事が多くなりました、これも「相続」や「終活」が一般的に認知されてきたからのことだと思います、「相続」や「終活」を考える上でこのような人達のことを「お一人様」と表現するからです。

では、お一人様の「相続」や「終活」はどのような準備をしておけば良いのでしょうか、「お一人様の相続」は死後のことだけになりますので、相続も含む形で「お一人様の終活」に関して考えてみたいと思います。

順番は逆になりますが、分かり易ところで自分の財産を自分の死後どうするかを考えなけれなりません。自分の財産を承継する法律的権利を有する相続人がいないのですから、何の準備もせずに亡くなると遺された財産の処理を他人に任せることになります。任せるというと聞こえは良いですが、悪く言えば事後処理を押し付けるということになります。ここでいう他人とは「国」ということになりますが、「相続財産管理人」という専門家が裁判所により選出されて事後処理に当たるわけです。現在このような状況が多いのも事実です。

国がやってくれるならそれで良いや、と投げてしまわずに何とか自分で自分の亡き後の財産の行方について準備しておきたいものです。

老後を共に過ごした友人知人や世話になった人など、いざ自分の財産を誰に遺すか(贈与するか)を真剣に考えれば誰かしら思い浮かんでくるのではないでしょうか。そしてその相手とじっくり話をして了解が得られれば、後は手段の問題です。そうです、「遺言」です。遺言による贈与ということで「遺贈」というものになりますが、これは「公正証書」で作成するのが良いでしょう。

そして次に、自分の老後でも後半とでもいう時期のことです。介護の問題や認知症の問題などを考えておかなければなりません。介護の問題に関しては地域の地域包括支援センター等に相談するという方法もあります、訪問介護等の利用も検討材料の一つでしょう。自宅に住み続けられるのであれば良いのですが、そうでない場合には施設への入居なども検討しなければならなくなります。この時に「お一人様」の場合に問題となるのが保証人や施設からの後見人依頼の問題です。特に「後見人依頼」の問題は、万が一認知症になった時に困るので後見人になる人を決めておいて欲しいという要請で、一般の人はどうすればいいのかわかりづらいという性質のものです。

このような場合には任意後見制度の利用が考えられます。まだ判断能力が落ちていない段階なので自分で後見人になる人を選んでおき契約をするのです。この契約をしておくことで前述した施設からの要請に応える形となり得ます。この時に出来れば後見人となる人と遺言により自分の財産を贈与する人とを同じ人(同一人物)にしておく事がポイントです。

その他、遺言とは別に(遺言ではカバーできない)、死後の諸々の後処理(支払い関係の精算問題や供養の問題等)をどうするかなどのことも考えて準備しておく必要もあると思います。

お一人様の終活、しっかりと準備をしておく事がご自身の豊かな老後のためにもなるのではないでしょうか。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続・事業承継に特化した事務所を開設、同時に、相続支援ネットにメンバー加入。「円満な相続」をモットーに、遺産分割対策支援・遺産分割協議支援など相続・事業承継支援を行う遺産分割に特化した相続士。あらゆる層の相続において問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応には定評がある。日本相続士協会理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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