民法改正・・・慌てないで!

最近、民法(相続法)改正について耳にすることが多くなってきましたので、注意を促すという意味で書かせて頂きます。

改正民法(相続法)は、今年の1月13日から部分的に施行され、改正のうちの多くが7月1日から施行されます。

このような時期になると、専門家が日常的に情報提供の意味で発信しているもの(筆者のコラムはこの類です)以外に、現在相続に関係している人の気持ちを煽ってビジネスにしようとしているもの、その他色々な形態のものが出現してきます。

興味のある方が相続の勉強という位置付けで学ぶ分には、また、学ぶということに止まる分には良いと思いますが、それを読み聞きして、気持ちを煽られ、間違えた方向に先導されないように気をつけて頂きたいと思います。

筆者もいくつかの関連する記事を読みましたが、相続の専門家と称していても知識や経験の浅さを感じさせるものもかなりありますので、書かれている内容に気持ちや考えが縛られないように気をつけて頂きたいと思います。勿論、中にはしっかりした内容を端的に書かれているものもありますが、ほんの一部です。

民法(相続法)の改正は、法律的な改正ですから、法律に馴染みのない方には理解しずらいものが多くありますので、ご自身で改正法を適用して考えていくということには困難を伴います。

民法(相続法)の条文が理解できても運用までは困難かもしれません。

例えば、今年の1月13日に施行されています「自筆証書遺言の方式緩和」ですが、改正前の旧法下では自筆証書遺言に添付する財産目録も自筆でなければいけませんでしたが、改正後はパソコン作成や預貯金通帳のコピーの添付でもOkとなりました。但し、添付する書類の一枚一枚に署名・捺印が必要となります。ここまでは、相続法の条文に書かれている内容です。では、実務上、これだけで良いのかという問題があります。自筆証書遺言は遺言者が自身の判断で作成するものですから、法律的な要件を満たすことはもちろん、それ以外にも気を配り、ポイントを押さえて作成しなければなりません。「円満相続」のためには相続法の条文に書かれていることを満たすだけでなく、プラスして少し味付けが必要になってくるというのが、実務上の運用ということになります。

具体的な味付けに関しては長くなるので割愛させていただきますが、このような実務上の運用ができる人が相続の専門家なのです。

相続に関して分からないことがあったり、どうにも道筋が見えないような場合には「相続の専門家」に相談する事が第一です。

相続の専門家といっても、弁護士、税理士、司法書士、行政書士がイコール相続専門家ではないのでご注意ください。それぞれ得意分野や専門分野があるはずです。因みに、オールマイティで何でもできますという人にはご注意ください。相談相手として候補を見つけたら、よく話を聞いて、人として信用できるか、相続の専門家として頼れるか、自分と波長が合うか、などを基準に考えてみてください。

少し話が逸れてしまいましたが、何れにせよ、民法(相続法)改正で相続が変わるような触れ込みに接しても、決して慌てないでください。

相続は各家族によって違った様相となります。改正法全ての影響を受けることはほとんどの場合ありませんが、場合によっては改正法を上手く使えば今までとは違った方向性を見いだせることもあるかもしれません。

慌てず、騒がず、じっくりと腰を据えて「真の相続の専門家」を見つけて相談してみてください。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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