認知症基本法の概要 後編

前回に引き続き「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の概要についてお話しさせていただきたいと思います。
前回は基本理念等について見てきましたが、今回は基本的施策についてみていきたいと思います。
基本的施策は以下のようになっています。
① 認知症の人に関する国民の理解の増進等
国民が共生社会の実現の推進ために必要な認知症に関する正しい知識及び認知症の人に関する正しい理解を深められるようにする施策
② 認知症の人の生活におけるバリアフリー化の推進
ⅰ. 認知症の人が自立して、かつ、安心して他の人々と共に暮らすことのできる安全な地域作りの推進のための施策
ⅱ. 認知症の人が自立した日常生活・社会生活を営むことができるようにするための施策
③ 認知症の人の社会参加の機会の確保等
ⅰ. 認知症の人が生きがいや希望を持って暮らすことができるようにするための施策
ⅱ. 若年性認知症の人(65歳未満で認知症となった者)その他の認知症人の意欲及び能力に応じた雇用の継続、円滑な就職等に資する施策
④ 認知症の人の意思決定の支援及び権利利益の保護
認知症の人の意思決定の適切な支援及び権利利益の保護を図るための施策
⑤ 保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備等
ⅰ. 認知症の人がその居住する地域にかかわらず等しくその状況に応じた適切な医療を受けることができるための施策
ⅱ. 認知症の人に対し良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスを適時にかつ切れ目なく提供するための施策
ⅲ. 個々の認知症の人の状況に応じた良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるための施策
⑥ 相談体制の整備等
ⅰ. 認知症の人又は家族等からの各種の相談に対し、個々の認知症の人の状況または家族等の状況にそれぞれ配慮しつつ総合的に応ずることができるようするために必要な体制の整備
ⅱ. 認知症の人又は家族等が孤立することがないようにするための施策
⑦ 研究等の推進等
ⅰ. 認知症の本態解明、予防、診断及び治療並びにリハビリテーション及び介護方法等の基礎研究及び臨床研究、成果の普及等
ⅱ. 認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすための社会参加の在り方、他の人々と支え合いながら共生できる社会環境の整備等の調査研究、成果の活用等
⑧ 認知症の予防等
ⅰ. 希望する者が科学的知見に基づく予防に取り組むことができるようにするための施策
ⅱ. 早期発見、早期診断及び早期対応の推進のための施策
その他認知症施策の策定に必要な調査の実施、多様な主体の連携、地方公共団体に対する支援、国際協力
前回と今回の2回にわたって、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法の概要」についてみてきました。
民法を勉強したことのある人ならご存知かと思いますが、禁治産者・準禁治産者という扱いで戸籍にも記載され忌み嫌われていた時代とは異なり、共生社会を目指す時代となってきました。
これから様々な制度が整備されていくことになると思いますが、一般に普及されるまではまだ長い時間を要することになると思います。
しかし、認知症というものが社会の中で「隠し通すもの」ではなく、社会の中で「当たり前」のものになり、「共生を目指すもの」となってきましたので、認知症に係る介護制度や成年後見制度など様々な制度等を知り、理解し、活用していくことが必要なのかもしれません。
そうはいっても一般の人がそれをすることはなかなか難しいのも事実ですから、その助けとなる専門家が求められてくるのではないでしょうか。
相続の専門家である相続士がその一端を担うことができると良いのかもしれません。
このページのコンテンツを書いた相続士
- 行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所
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