空き家問題と相続 その2

「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されて1年余りがたちますが、ではどのような住宅が「特定空家等」に該当し、より適正な管理・改善の対象となったのでしょうか。

国交省のガイドラインでは「周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にある空家等」と定められていて、具体的には大きく次の4つの状態にあてはまる住宅をあげています。

 

1.そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

(老朽化した木造住宅等があてはまります)

 

2.そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(いわゆる「ゴミ屋敷」があてはまります)

 

3.適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(窓ガラスが割れたまま放置されていたり、落書きや汚物等で外壁が汚れている住宅等があてはまります)

 

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(木の枝等が道路にはみ出して通行の妨げになっていたり、施錠がされていなく不特定の人が出入りできてしまうような住宅があてはまります)

 

私の住んでいる足立区には、「特定空家等」に当てはまる住宅を結構目にします。今回の法施行に先駆けて足立区では独自のガイドラインを定め、木造住宅の助成制度も行っています。耐震診断や耐震改修工事をする場合や、住宅を取り壊す際の除去工事(解体工事)の費用の一部を助成金として受け取ることができます。

各自治体によって助成制度の有無や内容は違いますが、「特定空室等」に当てはまらなくても、空き家をお持ちのクライアントがいる場合は、お住まいの自治体に助成制度があるかどうか、あるとしたらどのような内容なのかをアナウンスすることができると思います。

このページのコンテンツを書いた相続士

澤田 朗
澤田 朗
相続士、AFP
1971年東京都生まれ。FP事務所FP EYE代表。NPO法人日本相続士協会理事・相続士・AFP。設計事務所勤務を経て、2005年にFPとして独立。これまでコンサルティングを通じて約1,000世帯の家庭と関わる。

相続税評価額算出のための土地評価・現況調査・測量や、遺産分割対策、生命保険の活用等、専門家とチームを組みクライアントへ相続対策のアドバイスを行っている。設計事務所勤務の経験を活かし土地評価のための図面作成も手掛ける。

また、住宅購入時の物件選びやローン計画・保険の見直し・資産形成等、各家庭に合ったライフプランの作成や資金計画のサポートを行っている。個人・法人顧客のコンサルティングを行うほか、セミナー講師・執筆等も行う実務家FPとして活動中。

FP EYE 澤田朗FP事務所

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