地主さんにとっての土地活用のパターン

土地活用という古くて新しいこのキーワードにはさまざまな意味合いがある。一般的にいう土地活用と土地の上に建築してそれから家賃収入を得ることを意味する。では、まずその土地活用の主な活用パターンはどんなものがあるか考えてみよう。そのパターンは次の5通りになる。

  1. 空地(何もしない)
  2. 駐車場(砂利敷き・アスファルト舗装)
  3. 賃貸アパート・賃貸マンション
  4. 貸事務所・貸店舗
  5. 賃倉庫・ファミリーレストラン・郊外型流通店舗等

1の空地は何もしないということで土地活用とは無縁のようだが、実は郊外の地主さんにとっては立派な土地活用である。なぜなら、将来の相続税の原資であるからだ。ただ、固定資産税といった土地保有税のコストがかかっていても安定安心の土地活用であるのだ。固定資産税の負担くらいは活用したいということで、同じく安定安心の土地活用として駐車場経営がある。そして、3~5が一般的な賃貸建物による土地活用の代表格である。3が住宅系、4と5は商業系ということになる。ただ、5は賃貸建物による土地活用であるが少し特殊なパターになる。なぜならロードサイドであることや全面道路が8m以上であるといった立地条件が厳しくなるからである。

建物賃貸としては、住宅系と商業系がある。

  1. 住宅系活用
  2. 商業系活用

さらに、賃貸建物によらないで事業用定期借地権による場合もある。定期借地権といえば、住宅系として戸建て住宅としての一般定期借地権が一般的であるが現在は市場化されていない場合が多いためほとんど見ることがない。そうなると土地活用は、建物賃貸と土地賃貸の2種類に分けることができる。

  1. 建物賃貸
  2. 土地賃貸

■土地活用における地主さんのパターン

次に地主さんのパターンを考えてみよう。それは地主さんの所有する土地のエリアによってパターンが2種類になってくる。一つは郊外型の地主さんで、もともとは農家であり都市近郊ということで市街化がすすみ人口流入によりアパート経営している地主さんである。それに対して都心型の地主さんは、いわゆるビルマンションオーナーになるべき土地を所有している地主さんでまだ土地活用をしていない地主さんである。しかしながら都心はすでに大半が商業ビルやマンション等に活用されており、商業地区における土地活用は街の大通りに面しての地主についていえばもう終わっていると言っても過言ではない。しかし、その通りから一歩踏み込んだ路地裏の住宅地区にはまだ大半が土地活用しないまま2階建ての木造住宅のままで広い庭を有効に活用していない地主さんは多い。その中には、庭先に小さな古アパートを所有している地主さんが含まれる。首都圏の中心部でよくみられる光景である。

  1. 郊外地主
  2. 都心地主

■日常の出会いの中で土地活用提案のチャンスはいつでもある

そこで、具体的な事例として、都心の住宅地に土地(自宅)を持つある地主さんの住宅系の土地活用のアプローチの事例を紹介しよう。
地主さんのアプローチは、日常的なお付き合いからもそのチャンスはあるのだ。地主攻略はそれほど難しいことではない。日常の出会いの中で何気ない話から展開することがある。その地主さんはまだ30代の若い二代目の飲食業を営む経営者のKさん。土地活用とは別の要件でKさんの自宅を訪れたのだが、自宅の庭先が駐車場としてのみ活用されていた。それもわずかに3台ほどのため駐車場代収入としてはわずかな収入だ。Kさんから飲食業の経営が苦しいことは聞いていたので、ずばり庭先の土地活用について聞いてみた。すると、すぐに話にのってきた。Kさんは、庭先の活用のことが以前から気になっていたのだ。

■狭い庭先に何が建てられる?

自宅は100坪で建坪率60%容積率300%の地域であった。周辺は5階建てのマンションが多く建設されている。ただ、自宅はまだ相続前に親が建てたRC(鉄筋コンクリート造)の3階建て。建築されてまだ15年ほどの豪邸である。自宅の活用としてはすでに庭先の30坪ほどをお決まりの駐車場として貸している。Kさんの自宅の土地は南北に細長く道路に接道する長さは11mほどで奥行きが30mというちょっと使いにくい土地であったのだ。自宅の活用としては、Kさんはその駐車場用地に2階建ての小さなアパートでも建てばいいと思っていたようだ。しかし、築15年の自宅も壊して土地100坪すべてを使っての活用を提案してみた。そうすると土地100坪が有効に生きてきて建築条件は飛躍的に緩和される。
今の駐車場敷地だけにアパートを建てるという土地の細分化計画は避けたい典型的な案件でもある。ネックは築浅(ちくあさ)の自宅の解体問題である。

■築15年の豪邸を壊してマンションオーナーに

自宅を壊して土地全てを活用すれば地下1階地上5階建てのマンションが建築可能になる。建築費は解体工事費や諸費用も入れて3億円。全額借り入れしても年間返済は、1,200万円ほどである。最上階の5階の一部をオーナールームとしているが家賃収入は、賃貸料も試算では年間3,000万円ほど入る計算である。エレベーター管理費や固定資産税等を差引して年間ざっと手取りで1,200万円ほど残ることになる。迷わずにその計画を遂行することを決断したKさん。愛着を持って住んできた自宅を壊して計画を実行した。計画から1年ほど経過して予定通り建物は竣工した。賃貸マンションの入居者も予定通り満室になり無事にマンションオーナーとなったのは言うまでもないことである。

相続士資格試験のお知らせ

日本相続士協会が開催する各資格試験に合格された後に、日本相続士協会の認定会員として登録することで相続士 初級・普通・上級 資格者として認定されます。