認知症ではない制限行為能力者の事例

こんばんは。相続士の木本です。

めっきり秋めいてきましたがいかがお過ごしでしょうか?

 

さて今日は私が担当させていただいている相談者の中でも

特に複雑な状況の方のお話をします。

 

被相続人は80代半ばのご主人で今年1月に他界されました。

金融資産は生前から奥様名義にして準備していたようで、

相続財産は大きな自宅だけでした。

 

15歳年下の奥様は後妻で、前妻の産んだ子(長男と長女)、

後妻が産んだ娘(次女)の計4人が相続人です。

 

これだけなら自宅を売却して分割すればよい話ですが、

長男さんが心の病で施設に入所しておられる都合上、

相続手続きも不動産売買契約も難しいと思われました。

 

どういうことかといいますと、

自宅を売却して現金を相続人4人で分けるためには、

分割協議書を作成するだけでは相続が完了できません。

 

まず遺産分割協議書に長男が印鑑を押せるのかを

確認する必要があります。

 

そこで精神科の専門医に診断書を書いてもらう手配をしました。

あわせて家裁からより詳しい鑑定の依頼があった場合、

鑑定料いくらで引き受けてくれますか?

という質問書も添付しました。

 

結果、成年後見人までは必要ないが保佐人が相当との診断で、

「鑑定料は1,000円」との返事が返ってきました。

 

ずいぶんリーズナブルだなあと思ったら、

聞けばこの先生は奇特な人格者なのだそうです。

 

次に自宅の売買契約の保佐人を決める必要があります。

家庭裁判所に審判の申立てをするのですが、普通に

申立てをしたら、弁護士が選任されることになるでしょう。

裁判所

弁護士が選任されると支払いがきついだろうということと

現在、奥様(父上の後妻で義母)が、長男のお金の管理や

日常生活の世話をしており関係も良好なので、奥様が

保佐人に選任されるのが最も望ましいと思われました。

 

しかし長男は現在51歳、奥様は72歳です。

長男が生きている限り、保佐人の任務は続きますが、

5年も経てば奥様は保佐人の任務を果たせなくなるでしょう。

 

それなら姉である長女が保佐人になれば良さそうですが、

長女は関東圏に住んでおり、今すぐには就任できません。

 

ところが、奥様が保佐人になったとして、奥様の高齢化

により保佐人を変更したいとなったら、また一から同じ

手続きをする羽目になります。

 

なんとか長女にスムーズに引き継げるように、

保佐人を奥様と長女の2名セットで選任してもらうよう

家裁に申し立てることにしたのです。

 

審判はこれからなので、

どうなるか全く予断を許さない状況ですが、

なんとかうまくいって欲しいものです。

 

そして、次は家裁に下記の書類を提出しました。

・補佐開始の審判申立書

・事情説明書

・相続財産の内容

・医師の診断書

・鑑定を受けてもらえる旨の医師の返信

・長男の経歴書および病状

・長男がなぜ病になったか経緯説明

・長男の資産内容の一覧表

・長男の通帳コピー

・長男の日々の入出金(領収書など)

・保佐人に指名してほしい人の名簿

・その理由書

・保佐人に指名してほしい人の経歴書

・保佐人に指名してほしい人の資産内容

・長男および相続人全員の同意書

・長男および保佐人に指名してほしい人の戸籍

・長男および保佐人に指名してほしい人の住民票

・保佐人に指名してほしい人の印鑑証明

・特別代理人が必要と判断された場合お願いしたい人の名簿

・臨時保佐人が必要と判断された場合お願いしたい人の名簿

・長男が登記されていない旨の証明、等

 

そして家裁担当者と面談をしたら、ようやく

審判が開始されるという運びになります。

 

・・・ここまで書いたらドッと疲れました。

なんとか最後までがんばります。ふぅ(笑)

 

このページのコンテンツを書いた相続士

木本 直美(じんわり)
【大分相続遺言相談室】
2015年より相続・終活・エンディングノートの活動をしています。
保有資格は相続士(上級)・終活士・宅建士・経営学修士です。
よろしくお願い致します。

相続士資格試験・資格認定講習のお知らせ

日本相続士協会が開催する各資格試験に合格された後に、日本相続士協会の認定会員として登録することで相続士資格者として認定されます。また、相続士上級資格は上 級資格認定講習の修了にて認定されます。