「遺族年金」についてその1

今回からは、「遺族年金」についてお伝えします。

「遺族年金」は、国民年金や厚生年金に加入している人が亡くなってしまった場合に、その亡くなった人に遺族が受け取れる年金です。

ただし、受け取るためには様々な要件などがありますので、どのような時に年金が受け取れるのか、などを、何回かにわけてお伝えしていきます。

1.遺族年金とは

    遺族年金は、「国民年金」「厚生年金保険」の被保険者または被保険者であった人、が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族の所得を保障するための年金です。

    遺族年金を受け取るには、死亡した人の公的年金の加入の状況、遺族が死亡した人に生計を維持されているかなど、一定の要件を満たす必要があります。

    また、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」では、支給要件や支給対象となる遺族に違いがあります。

    2.遺族年金の制度の変遷

    <1>旧国民年金法・旧厚生年金保険法における仕組み

    「旧国民年金法」においては、当時の国民年金の被保険者が世帯主に限らない成年者であったため、被用者を被保険者とする厚生年金保険に比べると、国民年金の被保険者の死亡に対する遺族の生活保障の必要性が低いとされました。

    そのため、子のある遺族家庭への生活保障を目的とする制度、とされました。

    一方、「旧厚生年金保険法」においては、当時の厚生年金の被保険者は概ね世帯主であり、その世帯の生計費用を賄っていることから、世帯主の死亡は遺族の生活を困難に陥らせるため、一般的な遺族への生活保障を目的とする制度とされました。

    <2>昭和60(1985)年改正による見直し

    遺族厚生年金は、子のある妻であっても、子が18歳に達した日以降の最初の3月31日が終了したときに遺族基礎年金の受給権を失うこと、中高齢の寡婦については、就労可能性も若い寡婦に比べて乏しいこと等の事情から、中高齢の寡婦について重点的に加算を行う「中高齢寡婦加算」が設けられました。

    当該改正に伴い、各年金制度共通の生計維持要件が設定され、年間収入が600万円以上ある人は支給対象外とされました。

    遺族年金を受け取れるのは、亡くなった人に生計を維持されていた人、などの要件を満たす必要があります。さらに、亡くなった人のそれまでの年金の加入状況や、亡くなった時点で国民年金・厚生年金の
    どちらに加入していたかによっても受取額などが変わってきます。

    また、「旧国民年金法」「旧厚生年金法」というのが以前からあって、それぞれ加入する人や遺族年金の支給する人の要件などが違っていました。それが、現在の国民年金・厚生年金の支給要件の違いにつながっていると思います。

    1985年の改正では、「中高齢寡婦加算」の制度が新設されるとともに、年収によって遺族年金が受け取れないという「生計維持要件」が設定されました。

    このページのコンテンツを書いた相続士

    澤田 朗
    澤田 朗
    相続士、AFP
    1971年東京都生まれ。FP事務所FP EYE代表。NPO法人日本相続士協会理事・相続士・AFP。設計事務所勤務を経て、2005年にFPとして独立。これまでコンサルティングを通じて約1,000世帯の家庭と関わる。

    相続税評価額算出のための土地評価・現況調査・測量や、遺産分割対策、生命保険の活用等、専門家とチームを組みクライアントへ相続対策のアドバイスを行っている。設計事務所勤務の経験を活かし土地評価のための図面作成も手掛ける。

    また、住宅購入時の物件選びやローン計画・保険の見直し・資産形成等、各家庭に合ったライフプランの作成や資金計画のサポートを行っている。個人・法人顧客のコンサルティングを行うほか、セミナー講師・執筆等も行う実務家FPとして活動中。

    FP EYE 澤田朗FP事務所

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