相続発生!誰に相談・依頼する?

相続が発生したときに戸惑いや不安等が起こります、それは、相続に関して何をすれば良いのか分からないということから漠然としたものとして起こります。

昔と違い相続に関する情報は溢れています、溢れているが故に何が正しい情報なのか取捨選択しなければならないという苦労もあると思います。

その取捨選択しなければならない苦労の一つが、相談や依頼をする専門家選びです。

相続は人生のうちで数回しか経験しないことなので、初めての方はもちろんのこと、一次相続を経験した人でも二次相続の時には法律や自身を取り巻く環境の変化等により、自分の経験知識だけでは対応できないこともあり得ます。

また、多くの場合、相続手続きがすべて終了するまで仕事を休むことはできませんし、相続人が地方に分散している場合などはなかなか上手くまとまることもできません。

そのような時に頼りになるのが相続の専門家です。

一昔前までは、相続の専門家とは税理士であると認識が一般的に多くありました、またそれ故に、相続税に関係しない場合は相続は関係ない(自分とは関係ないもの)という間違えた認識が広まり、相続税に関係しない人は自分や家族の相続について考えない(準備しない)ため、結局のところ調停や審判の件数が増えていったということにも繋がっていたようにも思えます。

最近では良くも悪くも様々な情報が発信されているので、相続の専門家=税理士という認識は薄れてきているようです。

では、相続に関して相談や依頼をするときに誰を選べば良いのか、どの専門機関(各種士業を含む)を選べば良いのか、という疑問や不安が出てくると思います。

ネット情報の中には、相続税に関係ない場合には司法書士や行政書士、相続税に関係する場合には税理士、揉めている場合には弁護士、というように杓子定規に定めているものもあります。

また、他の士業の業務を自分の浅い知識の中で定義付けして、最終的に自分(自分の資格士業)が優れているように見せかけているものもあります。

何れにしても、他を落として自分を上に挙げて優位性を主張しようとするものと思われます。

このような情報に惑わされず専門家を選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。

まず第一には、自分との相性をみることです。話し易さや、醸し出す雰囲気など、なんとなく感じるものがあるかと思います。何かマイナス要素として引っかかるものがあるか否か、何もなければ特に気にする要因ではありませんので、こだわる必要はありません。

次に専門性、相談者の質問等に自分の専門分野に関して的確に答えられるか否か。

そして、これが見極めのポイントにもなるかもしれませんが、自分の専門外についてはどのように対処するのか。

紹介します、提携先に依頼します、専門外は行いません、などいくつかの対応があると思いますが、自分の専門外に関して自分は全く関わらない(知らない)というスタンスの専門家は避けたほうが良いと思います。

なぜなら、例えば、相続税に関係している人で不動産もあるような場合、税理士と司法書士が必要になってきますが、各々が縦割りで連携なく仕事をしてしまうと司法書士が関与した遺産分割では税務上の問題が発生したり、税理士が指導して作成した遺産分割協議書では登記できないというような問題が発生したりすることが少なからずあるからです。

このような場合であれば、両者が遺産分割協議書の作成まで協力する必要があります。

相続は複数の専門分野が関係しますので、他の分野を少しかじったくらいではなかなか上手くいかないのが現実です。例えば、遺言の作成に関しては相続専門と称していても税理士に依頼するのではなく、相続専門を称している司法書士や行政書士に依頼するのが安全です。

士業であれ、その他の専門機関であれ、最近は優秀な民間資格も出ていますが、相続の対応は、多くの場合、1人の専門家だけではカバーしきれないのが現実です。その場合にその窓口として最初に接する専門家がどのような対応をするのか、初回面談の時に確認すると判断材料になると思います、依頼して良い専門家か、依頼しない方が良い専門家か。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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